2017 春アニメ総評①
1.進撃の巨人 Season.2 16点
ストーリー…3 キャラクター…4
作画・演出…5 音楽…4
原作が未完故すっきりしない終わり方になった為、ストーリー面ではそれなりの評価となった。会話多めな回も多い中、視聴者を退屈させないような演出や声優の演技が光った。戦闘シーンでは1期を超える縦横無尽なワイヤーアクションを用い、特に32話では高品質なアクション作画と演出が炸裂し、今期のアニメの中でもトップクラスの回に仕上がっていた。OPは前OPに比べ歌詞が単純でかなりダサくなってしまった感は否めないが、転調を多用した曲調が畳みかけるような映像と見事にマッチしていた。
2.FLAME ARMS GIRL 14点
ストーリー…3 キャラクター…4
作画・演出…4 音楽…3
毎回がお祭り回みたいなノリ。人によって好き嫌いは分かれるかもしれないが、販促アニメとしてはこれでいいのだと思わせるアニメだったと思う。無骨なCGもプラモデルの質感と上手くマッチし、終盤に向かうに連れて手書きの作画も増えていったが、感情を学んでいく轟雷の成長と上手くシンクロしていた印象を受けた。プラモの売り上げも好調らしく、アニメとしても成功と言えると思う。
3.ロクでなし魔術講師と禁忌教典 7点
ストーリー…1 キャラクター…2
作画・演出…2 音楽…2
演出面で見せ方の上手い箇所もあったが、それも序盤だけ。話もお粗末で、結局はよくあるテンプレラノベの域を出なかった。キャラは可愛いが中身がなく、誰に感情移入すべきかわからないままアニメが終わっていた。
4.冴えない彼女の育て方 8点
ストーリー…1 キャラクター…2
作画・演出…4 音楽…1
澤村・スペンサー・英梨々は安芸倫也だけではなく視聴者の心をも裏切った。今期を代表する最低ヒロインだ。自分が描ける描けないを人のせいにする時点でクリエイター失格である。覚悟決めて完全に袂を分かつなら応援したが、最終回の最後の最後まで倫也に未練タラタラなのはさすがに無い。倫也の眼鏡のくだりもそうだが、結局は作り手側が視聴者に気を使っているのである。完全に加藤を選ぶのではなく、他のヒロインとの可能性も残されていることを暗に示したかったのかもしれないが、それはヒロイン全員を殺すことになると理解すべき。
演出面の話をすれば、道路の線等を用いた「踏み出すこと」「立ち止まること」の見せ方がうまかった印象。作画演出は良かっただけに本当にストーリーが残念。
2017 冬アニメ総評④
投稿したと思ってたら下書きで眠っていた…
13.小林さんちのメイドラゴン 14点
ストーリー…4 キャラクター…3
作画・演出…4 音楽…3
異種間故の「ギャップ」を全面に押し出すことを避け、よくある「ドタバタ日常コメディ」ではなく、「ホームドラマ」として作品を成り立たせていた。そのギャップも、日常生活を壊しかねない「危うさ」として潜ませることで、トールたちの日常をかけがえのないものとして印象付けていた。
惜しむらくは、個人的に好きなキャラであるエルマの登場が遅かったこと、登場しても特に大きな活躍をする間もなく作品が終わってしまったことである。
ストーリー…3 キャラクター…3
作画・演出…4 音楽…3
正直なところ、最終回を見るまではボロクソな評価をつけようと思っていた。主人公側が敗北して終わるというストーリーは一般層からの評価は低かったかもしれないが、個人的には悪くなかった(主人公側に感情移入できるキャラがいなかったせいかもしれない)。若手スタッフによるガンダムシリーズの新しいアプローチは、今のところの評価を見ると「失敗」以外の何物でもないが、ガンダムシリーズは後から評価されるのが常なので、今後どう評価が変わっていくかが気になるところ。
15.BanG Dream! 8点
ストーリー…2 キャラクター…1
作画・演出…2 音楽…3
メディアミックスの展開的にラブライブのフォロワーなのだが、ラブライブのフォロワーと呼ぶにはあまりにもお粗末な作画とライブシーンの少なさが目立ってしまっていた。アニメ本編のストーリーはちょっと褒められたものではないが、BGM使用を絞ったリアルな雰囲気作り等、演出面で良い意味で気になるところはあった。
スマホアプリの方が好調のようなので今後の展開にも期待したいが、主人公バンドの不人気が足を引っ張っていきそうではある。あのアニメ本編を見ると仕方ないとは思う。
2017 冬アニメ総評③
9.One Room 14点
ストーリー…3 キャラクター…3
作画・演出…4 音楽…4
ショートアニメ最高レベルの美麗な作画。ストーリーは平凡ながら各ヒロインごとで異なるシチュエーションが楽しめる。あにトレと同じ1人称視点で話が進行していくため、いかに自分が主人公になりきれるかで評価が違ってくる。特に日々辛い仕事に追われている社会人の皆様には、第2章ヒロイン・桃原奈月の優しさに涙すること請け合いだ。
1人称視点ながらたまにありえない視点からのカットが目立ったため、徹底的にこだわって欲しかった。
好きなキャラ…桃原奈月
好きな話数…5~8話
10.幼女戦記 11点
ストーリー…3 キャラクター…2
作画・演出…3 音楽…3
いくら未完とは言っても、アニメ化する以上はきちんと話を締めて欲しかった。事前情報なしで見たので、2話の展開には度肝を抜かれたが、結局はそこが個人的クライマックスのまま終わってしまった。一応ラスボス枠のアンソンも、もったいぶって出てきたありにはあっさり負けてしまい拍子抜けである。内容的には流行りの異世界転生ものの亜種と言える。
色々言われているキャラデザについては、アニメ版のようなキャラデザを否定はしないが、原作絵がある中であえて崩してきたスタッフの判断には疑問を持った。演出面は最初は良かったものの、後半は机を叩く、ライターをつける→爆発等の同じような演出が目立っていた印象。
好きなキャラ…いません
好きな話数…ありません
11.クズの本懐 11点
ストーリー…3 キャラクター…3
作画・演出…4 音楽…1
1クールの間、「皆川 茜」というキャラに振り回されて終わってしまった印象が強い。登場人物が皆エゴと性欲の塊なのはコンセプトとして理解はできるが、やはり誰一人として感情移入できるキャラクターがいないのは辛い。
最可というキャラクターはこのアニメにおいて唯一非常にアニメ的なキャラ付けの人物として期待していたが、結局は他の「クズ」キャラクターの仲間入りをしてしまい、個人的に残念である。
好きなキャラ…なし
好きな話数…なし
12.ガヴリールドロップアウト 8点
ストーリー…1 キャラクター…3
作画・演出…3 音楽…1
0.5クールならそれなりに楽しんで終われたと思う。大体が同じ展開(サターニャいじり)なので後半は苦痛だった。メイン4人の扱いはかなり難しかったと思う。サターニャといじめっ子3人という構図もそうだが、なによりラフィエルというキャラがなかなかに異質でありバランスブレイカーになってしまっていた。そもそもラフィエルが動くとどう転んでもサターニャいじりにしかならないので、このキャラがいなければ色々と丸く収まったような気がする。
好きなキャラ…月乃瀬=ヴィネット=エイプリル
好きな話数…2話
2017 冬アニメ総評②
5.亜人ちゃんは語りたい 16点
ストーリー…4 キャラクター…4
作画・演出…4 音楽…4
多くの場合は、一般とは違う身体的ハンディキャップに対して目を逸らしがちである。それを無いものとして扱い、一般人と同じと思い込むことで、「平等に扱う」としているのである。客観的に見ればそれで一定の倫理観が保たれるのだが、主人公・鉄男は亜人たちの身体的特徴を知ることで、亜人たちの精神的ハンディキャップの解消にも繋げた。近年はシリアスな内容は忌避されがちだが、この作品は「ハートフル日常コメディ」の体をなしながら、デリケートな部分に踏み込んだ意欲作であった。一つだけ、主人公と生徒たちの距離感がどうしても気になってしまった。教師と生徒の関係で見れば、近すぎると言わざるをえない。
演出面で見れば、地味ではあるが、登場人物の心情を自然な風景の中に取り入れた演出が魅力的であった。EDも良い。曲の進行に合わせて色彩が追加されていく様は本編とは違った派手さがあり、何度も見ていられる。
好きなキャラ…小鳥遊姉妹
好きな話数…4話、11話
6.政宗くんのリベンジ 6点
ストーリー…1 キャラクター…1
作画・演出…2 音楽…2
未完原作のアニメ化の典型的な失敗である。宿敵となるデブとの決着を放置し、最終回後半では登場人物のカラオケ大会をやりだす始末。主人公とヒロインの関係性が進展したかどうかも怪しい。そもそも登場人物からして、性格が捻じ曲がったメイン2人、他作品からパクッてきたかのような病弱お嬢様、女みたいな男キャラ、無駄な婦女子設定を入れた委員長、と揃いも揃ってという感じであった。
好きなキャラ…いません
好きな話数…ありません
7.アイドル事変 12点
ストーリー…3 キャラクター…4
作画・演出…3 音楽…2
「正論」と「精神論」の仁義なき戦いである。前半は主人公・夏月と各政党のアイドル議員を中心としたオムニバス形式を取り、中盤では桜庭総理の放った刺客・cherry7との戦いを描き、そして終盤では「アイドル議員禁止法案」が可決された中で、アイドル議員としての意義を問うための桜庭総理との決戦を描いた。
粗削りながら1クール内でよくまとまっていたと思う。個人的には中盤以降の話が良くできていて、cherry7との戦いですら、アイドル議員達を公務から遠ざけてパフォーマンスに熱中させるための策略だったのは、素直にやられたと思った。アイドル議員としての意義を見失いかけた主人公らに、前半で説き伏せた敵議員達が手を貸してくれる展開も王道であった。
ライブシーンは使いまわしが目立ち、曲もそこまで魅力的な物はなかった。アイドルアニメとして評価するのであれば決して高い評価はつけられない。しかしその必要はないのである。なぜなら劇中での桜庭総理の台詞にもあるように、彼女たちはアイドルではなく、「アイドル議員」なのである。
好きなキャラ…桃井梅、近藤幸恵
好きな話数…5話、6話
8.ACCA13区監察課 18点
ストーリー…5 キャラクター…4
作画・演出…5 音楽…4
主人公ジーン・オータスが視察で各区を回りながら、組織をあげたクーデターの陰謀に巻き込まれていく壮大なストーリー。しっかりと作り込まれたストーリーに加え、ラストにはどんでん返しが用意されていた。
各区それぞれに個性があり、国政への考え方やそれぞれの区の関係性など、奥深いものが多かった。プラネッタ区でのもらい煙草を渡し返すシーンや、最終回スイツ区での「国から区へ」の台詞が印象的だった。この2つの区はフラワウ区との対比として重要な役割を持っていたと思われる。
そして何より、このアニメの真髄はOPである。赤(=ACCA組織の色)、青(=味方?)、黄色(=ジーン、王族?)の3色で表現された各カットには様々な意味が込められていると思われ、本編試聴後に見直せば新たな発見があると思うので、是非何度も見直してもらいたい。EDは可もなく不可もなくという感じだが、何故直前にCMを挟んだのだろうか…
好きなキャラ…モーヴ本部長
好きな話数…10話、12話
2017 冬アニメ総評①
1、『この素晴らしい世界に祝福を!2』 11点
・ストーリー…2 ・キャラクター…3
・作画、演出…3 ・音楽…3
パロディやサブカルネタに偏らない、純粋なギャグは2期になっても健在。むしろ作画の崩しに磨きがかかったことで、より一層ギャグパートが活き活きしていたように思える。中盤(バニルが出たあたりから)は多少中だるみしたが、温泉街に来てからは勢いで持ち直していた印象。
好きなキャラ…めぐみん
好きな話数…8話
2、『セイレン』 6点
・ストーリー…1 ・キャラクター…1
・作画、演出…2 ・音楽…2
まず、何が「清廉」なのか…。おそらく「私欲がない」=「将来の夢がない」ヒロインたちが、主人公と出会うことでやりたいことを見つけていく…的な話なんだろうけど、エピローグに繋がる説得力も薄く、イマイチオマケ感がぬぐえない(特に今日子)。アマガミを引きずりすぎた所と、全体的にローカロリーな作画は時代遅れ感が強く、主人公の突拍子もない言動も純粋に気持ち悪かった。2期をやるつもりなのかわからないが、比較的人気出そうな3人を先にやってしまって大丈夫なんだろうか…
好きなキャラ…(強いて言うなら)三条るいせ
好きな話数…特にありません
3、『うらら迷路帖』 11点
・ストーリー…1 ・キャラクター…3
・作画、演出…4 ・音楽…3
「つまらないのが良いところ」とは言いえて妙である。中途半端なストーリーは退屈そのものだが、高品質な作画やハイテンポなカット切り替えで視聴者を楽しませようとしているところは良かった(特にクライマックスの9番占試験)。終盤のシリアスパートは何気に伏線もしっかり張っていたのだが、このアニメに必要だったのかというと何とも言えない。個人的に魅力のあるキャラクターとそうでないキャラクターの差が激しかった。
好きなキャラ…紺
好きな話数…10話
4、『風夏』 9点
・ストーリー…1 ・キャラクター…1
・作画、演出…3 ・音楽…4
セイレンと同じく微妙に時代遅れ感が漂うストーリー。中盤の炎上ネタは見ていて恥ずかしかった。後半は風夏の唐突なソロデビュー宣言や、昔からずっと好きだったはずの主人公を振る小雪(中盤の炎上は何だったんだ)など、主要キャラの不可解な言動に納得できないまま終わってしまった。基本的にキャラの言動が衝動的で(描写不足)、茶番感がぬぐえない。曲がりなりにもバンドアニメ(?)らしく音楽面では良曲が揃っており、OPの劇中Verはピアノが強めのミックスで個人的にはこっちの方が好み。
好きなキャラ…特にいません
好きなキャラ…特にありません